「HOUSE T」について その2
- 2014.08.16
「水回りのプラン」
水回りも極力大工造作とし、空間に違和感を与えないように気をつけました。また、既製品のモノでは味わえない木の温もりや質感を重視しました。
キッチンはアイランドと壁付けのⅡ型とし、両方にシンプルでフラットな人工大理石のワークトップを乗せました。アイランド部分には幅1mを超える大きなシンクと食器洗い機を組み込み、壁付け部分にはIHヒーターを組み込みました。仕様や寸法をフルオーダーにすることにより、食事の盛りつけや配膳、片付けに必要な作業スペースを充分に確保することができ、また調理の際に出る煙や臭いが部屋中に拡散するのを防ぐように工夫しています。
4畳と広めに取った洗濯脱衣室では物干しスペースや家事作業台も備え、「脱ぐ・洗う・干す・畳む」といった作業がこの部屋一つで完結するため、晴れの日が極端に少ない福井の気候や夜間の物干しを考えるととても有効的に機能します。また、脱衣室やトイレの床には無垢の床から切り替わっても足触りが良く水気や摩耗にも強いコルクタイルを採用しました。
またお風呂や家事スペースをなるべくキッチンの近くに配置し、家事をする際の導線を短くするのと同時にLDKとの温度差が生じないようにして、奥様はじめ家族の負担を減らすよう心がけました。
「主寝室・子供室」
2Fの8畳の主寝室は北側に配置し、大きなウォークインクローゼットを隣接しました。今後ベッドやTVボードを設置することを想定して、コンセントの差し込みや照明スイッチの位置などをよく考え、後で不自由にならないように配慮しました。また、少しでも明るいと寝つきが悪くなるというご家族のために、昔ながらの木製サッシや雨戸を駆使して昼間でも真っ暗な空間になるように造作しました。住みだすとあっという間にモノが溢れると評判のウォークインクローゼット内は充分な広さをとり、棚板やパイプハンガーを設け、衣類や布団生活家電等の収納が将来的にも困らないようにしています。
子供室は子供が小さい間は明るく開放的な南側に配置し、のびのびと使ってもらおうと考え、2部屋の間仕切りは将来的にする事にしました。2Fのテラスはとても見晴らしがよく開放感が抜群で、時には椅子を出して読書をしてもらったりお茶を楽しんだり活用してもらおうと思います。また、スチールの手摺部分は布団を干すのに丁度良い場所にもなりました。クローゼットも各部屋2つづつ設け、充分な収納スペースを確保できました。
また、全体的に照明は極力少なく、質素でシンプルな形状とし、天井にボコボコと無造作にダウンライトを仕込むのではなく、場所や用途をよく考えて壁付けにすることにより壁面や天井面を柔らかく照らし、住む人に落ち着きをもたらせます。